国際政治・アメリカ研究

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目 次

《2005年9月》 
レンキスト最高裁長官が死去、後任にジョン・ロバーツ

《2005年8月》 
ハリケーン「カトリーナ」の被害とニューオリンズの近況
(番組情報)TBSテレビ『ヒロシマ』

《2005年7月》
ロンドン同時爆破テロ(佐藤愛子)



《2005年9月》 

レンキスト最高裁長官が死去、後任にジョン・ロバーツ

 9月3日、米連邦最高裁判所のウィリアム・レンキスト長官が甲状腺がんのため死去した。享年80歳。レンキストは1972年に共和党のニクソン大統領に最高裁判事に任命され、86年にはレーガン大統領に長官に任命された保守派の重鎮である。後任の長官には、7月に辞意を表明した中道派のサンドラ・オコーナー判事の後任に指名されていたジョン・ロバーツが指名され、9月29日に正式に就任した。ロバーツは、1955年生まれの50歳という若い判事であり、極端な保守派ではないが穏健な保守派と見られている。(2006/5/24)

(参考資料)ロイター9月4日ほか

《2005年8月》 

ハリケーン「カトリーナ」の被害とニューオリンズの近況

 8月下旬、ハリケーンとして最大規模の強さを持つ「カトリーナ」がアメリカ本土に上陸し、アラバマ州、ミシシッピ州、ルイジアナ州など南部諸州で甚大な被害を出した。アメリカ南部に強力なハリケーンが上陸する可能性は以前から指摘されていただけに、政府の対応のまずさに批判が集中した。ブッシュ政権はテロ対策ばかりに巨額の予算を割いてバランスに欠く、という議論が多く聞かれた。また、貧しい人びとがより多くのダメージを受けたことにより、格差社会の存在も指摘された。

 ハリケーンの被害から約半年が経過した2006年3月、私のゼミの学生が復興支援のボランティアでニューオリンズを訪れた。それによると、市街地の復興は見た目にはかなり進んでいるが、郊外の惨状は話に聞いていた以上であり、いまだにテント生活を余儀なくされている人びともいる。下の写真は、ハリケーン「カトリーナ」の被害から半年後のニューオリンズである。(2006/4/4) 

  
 (写真提供)伊藤りえ
 


(番組情報)TBSテレビ『ヒロシマ』8月5日(金)18:55〜21:48

 8月、戦後60周年を迎えるにあたり、TBSテレビは戦後60年特別企画として『ヒロシマ』を放映する。ゴールデンタイムに民放が3時間近いドキュメンタリー番組を放送するのは珍しい。この番組は、TBSテレビ放送50周年の記念番組でもあり、BBCとの共同制作であり、私は監修として番組にかかわった。

 原爆の開発や広島・長崎への投下に直接かかわった人びとの多くは、すでに亡くなっており、番組のための取材をするのは容易でなかったと推察されるが、番組スタッフは苦労して独自取材を行った。私自身は監修者として企画書・台本を下見し、おもにアメリカ側の歴史について事実関係の過ちを訂正するなどの作業に従事した。この番組に示される意見や解釈はすべてTBSのものである。監修といってもフィルムを観たわけではなく、どういう仕上がりになっているか楽しみにしたい。(2005/7/31) 

(参考資料)番組ホームページ<http://www.tbs.co.jp/sengo60sp/>
 
 

《2005年7月》

ロンドン同時爆破テロ(佐藤愛子)

 7月7日、午前8時50分頃、ロンドンの中心部の地下鉄やバスなど4カ所で同時爆破テロ事件が起きた。朝の通勤ラッシュ時の交通機関が狙われ、路上では救急車が立ち往生した。18日のロンドン警視庁の発表によれば、死者が合計で56名にものぼる大惨事となった。

 ロンドンの爆破テロは、主要国首脳会議(G8サミット)の開催にタイミングをあわせたものと見られる。今回のサミットでは、アフリカ支援や気候変動問題に焦点が置かれる予定であった。しかし、テロ事件の発生を受けて、予定していなかった「対テロ戦争」も急きょ取り上げられる形となり、「テロ対策に関するG8首脳声明」が採択された。同声明は、「動機にかかわらず、いかなるテロ行為も非難する」としたうえで、長期的な観点から「新たな世代のテロリストの出現」を国際的な枠組みで予防することを強調している。

 イギリスの世論調査では、今回のテロについてイラク戦争が背景にあるとの見方が強く、ブレア政権はイラク開戦をめぐる国内の批判が再燃することを恐れている。
(2005年7月19日)

(参考文献:『朝日新聞』2005年7月8日、9日、10日; 『毎日新聞』7月19日、『共同通信』7月19日、『外務省ホームページ』)


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