国際政治・アメリカ研究

壁一面の本棚の作り方

 
 おわりに

 本棚の上下段それぞれのパーツが出来上がると、それを上下左右に固定して、壁一面の本棚が完成することになる。まず一番端に置く本棚の下段を適切 に配置し、その上に上置きを置く。このとき、天井と本棚の隙間は5ミリしかないので、上置きが傾いていると天井に当たってしまい所定の位置にうまく差し込 むことが出来ない。上置きを傾けずに下段に載せ、スライドさせるように位置をあわせるのがコツである。上置きの位置がピッタリと定まったら、下段の天板と 上置きの底板を長さ32ミリの木ねじで3箇所締めて固定する。次に、本棚の側面に接合用の金具を当てて、木ねじと金具で上下を固定する。その作業を4セッ ト分やると、見た目には壁一面の本棚が完成している。しかし、この段階ではまだ本棚は左右に連結されていない。本棚の左右方向の連結は、本棚と本棚の隙間 の大きさを見ながら木ねじでとめていく。このとき、木ねじはいきなり最後まで強く締めるのではなく、全体の隙間を調節するように少しずつ順番に締め上げる のがコツである。
 
 

  




 結局、私は、8畳間の壁に上下2段左右4セットの本棚を配置して連結し、さらにその延長線上にある床の間にも天井本棚を制作・配置した。 全長4メートル強、高さ約2・5メートルという巨大な本棚である。完成した姿を見ると、われながら素人のものとは思えない堂々たる出来映えである。しか し、考えてみると、この巨大な壁一面の本棚も、数十センチの板と板をボンドとねじで直角にとめるという作業の繰り返しにすぎないのであり、段取りがわかっ てしまえば、さらに大きいものをつくることもそう難しいことではないことがわかるだろう。
 
 

  



 最後に、私は余った板きれで、床の間の本棚の向かいに、奥行き11センチの超薄型ビデオラック(約260本収容)を制作・設置した。ま た、8畳間には、大きなマガジンラックとイノベーターのモダンなダイニングセットを配置し、和室を私設の図書室に改造するというリフォーム計画を完了した のであった。(2006/3/2)

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 補説:地震対策

 壁一面の本棚というと、地震対策を気にして心配する方が少なくないようである。私の場合は、もともとが和室だった部屋をリフォームしたこ ともあり、本棚は3つの方法で地震でも倒れないように工夫している。(1)天井まで高さがある本棚なので、基本的には天井が抜けたり、本棚が折れない限り 倒れない。(2)和室の壁には「長押(なげし)」 という木の枠があるので、木ねじを使って本棚を長押に固定している。(3)和室の壁が天井と接する部分には「廻縁(まわりぶち)」という木の枠があるの で、本棚の前の廻縁に釘を打って転倒を防止している。

 実は、私は子供の頃から実家では指物師がつくった壁一面の本棚がある部屋で暮らしていたが、地震で恐いと感じたことはなかった。幸い、 本が飛び出すほどの大きな地震にあったことがないからなのかもしれない。また、妻の実家にも壁一面の本棚があり、やや大きめの地震にあったこともあるのだ が、こちらも本棚に隙間なく本が並べられていたため、本は飛び出さなかったらしい。たしかに、私も一人暮らしをしていた頃、市販の本棚をアパートの部屋に 大量に並べたときには、いくらか不安を感じたことがある。しかし、今回、壁一面の本棚をつくった部屋は、寝泊まりする場所ではないし、上述の対策で十分だ と思っている。

 そもそも、私は、地震で本棚が倒れたという話しを聞いたことがない。むしろ、大学院時代に何度か耳にしたのは、蔵書が多すぎて下宿先の 床が抜けたとか、傾いたという話である。だから、安全面を気にする人には、地震よりもむしろ床の補強をきちんとするように注意を促したい。 (2006/4/6) 

 (追記)2011年3月の東日本大震災でも壁一面の本棚は無事であり、1冊の本も飛び出さなかった。しかし、別の部屋の市販の本棚が転倒し、それとまた別の部屋の本棚の棚が一つ飛び出してしまった。市販の本棚はすぐに金具で壁に固定することにした。

 
 

はじめに1.本棚の設計2.本棚づくりの道具と材料

3.本棚の組立4.本棚の塗装おわりに
 
 


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