THE
AMERICAN MUSIC: Blues, Jazz, Rock
WELCOME
|
||||
追悼――J・J・ケイルの死去
アメリカが好きでないひとでも、アメリカン・ミュージックを愛することはできる。自由と差別、繁栄と貧困・・・・。 突然の訃報に触れ、彼がすでに74歳という高齢だったことに驚いた。もちろん、今時の70歳代の中にはまだまだ元気な方が多いが、そういう意味ではなく、 60年代ロックの草分けであるビートルズやローリングストーンズのメンバーよりも年齢が上だからである。J・J・ケイルは50年代にもシングル曲をレコー ディングしたことがあるようだが、世間に認められるようになったのは、71年のシングル「Crazy Mama」、72年の初アルバム『Naturally』からである。そのときすでに彼は32、33歳に達していた。『Naturally』は若い頃から私 が最も好きなアルバムの一つであり、その内容はすでに円熟の域に達していた。 1992 年にフジテレビが深夜に『アメリカン・ギターズ』という 番組を何回か放送したが、「フェンダー」の特集を見ていると、J・J・ケイルがソファーに座って名器ストラトキャスターの解説をはじめ、おもむろに 「After Midnight」を弾き語り始めた。それは実に渋い、素晴らしい演奏だった。ぜ ひ一度生で演奏を聴いてみたい本物のミュージシャンであった。(2013/9/5)
|