国際政治・アメリカ研究


     国際政治・アメリカ研究案内
         

  国際政治学の基本図書

     最新の研究動向や方法論別の主要文献を調べるには、岩田一政ほか編『国際関係 
     研究入門』増補版(東京大学出版会、2003年)が便利です。進藤栄一『現代国際関
     係学』(有斐閣、2001年)は、現在に至る国際政治理論の発展を概観するのに適した
     テキストです。より詳細な書誌としては、日外アソシエーツの『国際関係図書目録』シ
     リーズが便利です。ここでは、その前に読んでおくべき古典的な著作を選りすぐって
     紹介します。
 
   国際政治学の基本図書

    (1)E.H.カー『危機の二〇年』(岩波書店)
      国際政治の理想と現実について、イギリスの知性と対話してみよう。

    (2) H.モーゲンソー『国際政治』(福村書店)
      国際政治学を代表する古典的業績。国際政治学におけるトータルな理論としての
      リアリズムを学び、その限界から今後の課題を考えよう。

    (3) H.ブル『国際社会論』(岩波書店)
      イギリス学派の古典的業績を読んで、国際政治の無政府性と国際秩序について
      考えてみよう。

    (4) K.J.ホルスティ『国際政治の理論』(勁草書房)
      行動科学派の教科書。対外政策に対する個人・国家・国際体系のインパクトを同時
      に検討する枠組みについて考えてみよう。

    (5) K・ウォルツ『国際政治の理論』(勁草書房)
      アナーキーを特徴とする国際構造が国家にどのような行動をとらせるか、ネオ
      リアリズムの国際理論の意義と限界を考察しよう。

    (6) R・O・コヘイン、J・S・ナイ『パワーと相互依存』(ミネルヴァ書房)
      ネオリベラリズムの相互依存論をもとに国際レジームやグローバル化の進展に
      ついて考えてみよう。

    (7)I・ウォーラーステイン『入門・世界システム分析』(藤原書店)
      世界規模の資本主義の発展が国際政治をどのように動かしてきたのか、左翼的
      な世界システム論の観点からグローバル化の問題を批判的に考えてみよう。

    (8)H.ニコルソン『外交』(東京大学出版会)
      外交論の古典を読もう。

    (9) G.アリソン『決定の本質』(中央公論社)
      対外政策決定論の古典から、三つの主要なモデルを学ぼう。

    (10)B・アンダーソン『定本 想像の共同体』(書籍工房早山)
      ナショナリズム論の基本書を読もう。


    *特に冷戦の終結およびその後の国際政治情勢について世界的に注目された著作
      としては、S・ハンチントン『文明の衝突』(集英社)、F・フクヤマ『歴史の終わり』(三
      笠書房)、T・フリードマン『レクサスとオリーブの木』(草思社)、A・ネグリ、M・ハー
      ト『帝国』(以文社)などがあります。
    *その他、各国政治について学ぶには、河合秀和『比較政治・入門』改訂版(有斐閣) 
      が最適です。 
 

                                 
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