国際政治・アメリカ研究


     国際政治・アメリカ研究案内
         


   アメリカ研究の基本図書(政治・外交中心)

     最新の研究やテーマ別の参考文献を探すには、阿部斉ほか編『アメリカ研究案 
     内』(東京大学出版会、1998年)と五十嵐武士ほか編『アメリカ研究入門』第3版
     (東京大学出版会、2003年)が便利です。前者はすべて邦語文献ですが、後者
     は邦語と英語の文献の紹介となっています(特に外交・国際関係については、
     ほとんどが洋書)。より詳細な書誌としては、『アメリカ関係図書目録』(日外アソ
     シエーツ)が便利です。ここでは、その前に読んでおくべき古典的な著作を選りす
     ぐって紹介します。

    (1)『ザ・フェデラリスト』(松本重治編『世界の名著』第33巻所収、中央公論社) 
      アメリカ建国の理念を原典から学ぼう。 

    (2)A.トックビル『アメリカの民主政治』(講談社学術文庫) 
      アメリカ文明論の古典を読もう。 

    (3)L.ハーツ『アメリカ自由主義の伝統』(講談社学術文庫) 
      アメリカ研究を代表する古典的名著。封建社会を経験しないアメリカ史の独自性と 
      それがもたらした自由主義の伝統について考察しよう。 

    (4)D.ブースティン『アメリカ政治の特質』(創元社) 
      アメリカ社会の同質性を強調する保守主義学派の解釈を理解し、その意義と限界 
      を考えてみよう。 

    (5)C.ミルズ『パワー・エリート』(東京大学出版会) 
      現代アメリカの権力構造に対する左翼的な見解を理解し、その意義と限界を考えて 
      みよう。 

    (6)加藤秀俊『アメリカ人』(講談社現代新書) 
      平易な入門書。アメリカとは何か、アメリカ人とは何か、著者と対話しながら考えてみ 
      よう。 

    (7)阿部斉『アメリカの民主政治』(東京大学出版会) 
      ピューリタニズム、民主主義、自由主義など、アメリカ史を動かすさまざまの思想につ 
      いて考えてみよう。 
       
    (8)H.ジン『民衆のアメリカ史』全3巻(TBSブリタニカ)
      アメリカの歴史を、民衆の「下からの視点」から批判的にとらえなおすと、どうなるであ
      ろうか、考えてみよう。

    (9)G.ケナン『アメリカ外交50年』(岩波書店) 
      アメリカ外交の「道徳家的・法律家的アプローチ」というべき特質を学び、それが現実 
      の世界に対して持つ意味を考えてみよう。 

    (10)W.A.ウィリアムズ『アメリカ外交の悲劇』(御茶の水書房) 
      アメリカ外交史研究における修正主義学派の古典的業績。世界情勢に大きな影響を 
      与える超大国の外交を批判的に検討してみよう。 

     その他、従来から定評あるテキストとして斉藤眞『アメリカ政治外交史』(東京大
     学出版会、1975年) 、最近の標準的な大学用テキストとして、五十嵐武士ほか
     編『アメリカの社会と政治』(有斐閣、1995年)、新しい研究の成果をふまえた詳
     細な通史として、M・B・ノートンほか『アメリカの歴史』全6巻(三省堂、1996年)
     などのテキストが有益です。
  
 

                                 
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